クレプトマニアにまつわるデータあれこれ

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こちらではクレプトマニアの有病率や回復率など、クレプトマニアに関する数値をご紹介します。

クレプトマニアはどれくらいいるのか?

アメリカの精神障害診断マニュアルである『DSM-5精神疾患の分類と診断の手引き』(2013年)によると、一般人口中の「窃盗症(クレプトマニア)」有病率は0.3~0.6%とされています。

この数値はギャンブル依存症の障害有病率(0.4~1.0%)に匹敵するほど高い数字で、クレプトマニアは以前考えられていたよりもはるかに多い精神障害であると考えられています。

また、万引きで逮捕される人の4~24%が窃盗症(クレプトマニア)に該当するという数値もあげられています。

クレプトマニアの回復率は?

クレプトマニアを含む依存症は、「回復はあっても完治はない」とされています。
そのため、どれだけの人が回復した=再発しなかったかということを数字で表すのは非常に困難です。

そもそもクレプトマニアは表面化していないことも多く、その全体数をつかむことができていません。
結果的に数値として示せるのは、医療機関を受診した人のうちどれだけの人が再犯したかということになります。

河村重実著『彼女たちはなぜ万引きがやめられないのか?窃盗癖という病』にはその再犯率について以下のように書かれています。

・治療継続を指示した患者のうち、8割程度が3か月以内に治療から脱落する。
治療から脱落した患者は、おそらくその8割以上が2年以内に再犯している。
3か月以上の治療継続者でも3割程度が治療中に再犯する 。

これは医療機関を受診し、クレプトマニアと診断された人のデータであり、潜在的なクレプトマニアの存在を考慮すると正確な数値を出すのは困難です。
ただ、回復率はかなり低いということは間違いありません
また、治療や自助グループへの参加などの回復への取り組みをやめてしまうと再犯率は更に高くなると言えるでしょう。

わたしが入院していた時には、ある医師は「回復するのは2割くらい」とおっしゃっていました。
入院治療に取り組んだ患者のうち、約8割の人が再犯してしまうというのが現状です。

依存症の回復にはスリップ(再発)がつきものといわれますが、クレプトマニアも例外ではありません。

クレプトマニアは女性の方が多い

斎藤章佳著『万引き依存症』では、受診するクレプトマニアの男女比は約7:3と女性が多いことが紹介されています。

また、女性に限って言うと主婦が多いことも述べられています。
その理由として考えられるのが、買い物を日常的に行っているということです。
人は特別なときにしかできないようなことには依存せず、日常の中で繰り返し行えることだからこそ依存してしまいます。

家事や育児などに追われてストレスを感じ、さらにそれを1人で抱えることで孤独感が強まります。
そこに家計をやりくりする中で、節約をしたいという思いが加わります。
そのような状況で、小さな万引きをすることで「節約」ができると同時に、ちょっとした達成感・満足感を覚えるのです。

すると徐々に金額や頻度がエスカレートしてしまい、依存症に陥ってしまうのです。
このようなに節約をきっかけとして始まった万引きが、ストレスのはけ口として習慣化し依存症に陥ってしまうというのが典型的なパターンと考えられています。

クレプトマニアは摂食障害の合併率が高い

クレプトマニアに女性が多い理由として、女性に多く見られる疾患である摂食障害との合併例が多いことが考えられます。

赤城高原ホスピタル・京橋クリニックの竹村道夫医師によると、2008年からの約5年間に診察した約600件のクレプトマニア症例のうち、女性では5割弱、男性では1~2割、全体では4割程度が摂食障害を合併していたとのことです。

その理由についてはこちらのページで紹介しています。

クレプトマニアの窃盗は万引きが圧倒的に多い

竹村道夫編『窃盗症(クレプトマニア)その理解と支援』によると、クレプトマニアによる窃盗の9割以上は万引きです。また、1回の被害額が数千円以内の例がほとんどです。

万引き以外の窃盗行為としては、置き引き、スリ、放置自転車窃盗、ロッカー荒らし、職場での盗み、家庭や親族内での盗みなどがあります。

今まであまり考えてこなかったが、クレプトマニアになって過去のことを思い出してみると、「小さい頃から親の財布からお金をくすねていた」、「会社の備品をこっそりと持ち帰ることがあった」などという話はよく聞く話です。

関連する項目はこちらです。