病院に行く クレプトマニアは何科?
クレプトマニアは依存症という病気であり、病院を受診することが望ましいです。
病院を受診するメリット
クレプトマニアには「これを飲めば治る!」という特効薬はありません。この先生に診察してもらえれば治るというものでもありません。しかし、病院を受診しクレプトマニアと診断されることでクレプトマニアという依存症であることを受け入れ、治療への取り組み意識が高まることが期待できます。また、うつ病や不眠症、発達障害など依存症以外の影響で万引きを繰り返している場合もあります。受診することで他の精神疾患が明らかになり、それを治療することで依存行為が軽減することも考えられます。また、近年増加している高齢者の万引きでは認知症など違う病気による影響も考えられます。その場合対応方法が変わってきます。病院を受診すれば他の病気の影響も含め、対策を立てることができるので、できるだけ病院を受診することをお勧めします。
どこの診療科を受診すべきか?
診療科で言うと「精神科」です。
全国的にクレプトマニアの診断・治療を受け入れいている施設は多くありません。 少しずつ認知度が高まっているとはいえ、医療側の理解度が低いことが多いのが現状です。そのため、受診前に問い合わせを行うことをおすすめします。「クレプトマニアは受け入れていない」、「受け入れているが新規は事前予約制」、「○曜日限定で受け入れている」など、問い合わせてみないとわからないことがあります。せっかく都合をつけて病院に行ったのに…などということにならないように、事前問い合わせしてみましょう。 クレプトマニアは依存症ですので、依存症治療を行っている病院だと受け入れてくれる可能性が高いと思います。
こちらのページで紹介している医療機関はクレプトマニアの診断・治療が可能との返答をいただき掲載をしています。だたし、情報更新が追い付いていない可能性もありますので、受診前に問い合わせを行ってください。
依存症全国対策センターの紹介
依存症全国対策センターは、依存症に関する情報収集・情報提供なども行っている厚生労働省の支援を受けた事業です。事業対象はアルコール健康障害、薬物依存症、ギャンブル等依存症となっています。
依存症全国対策センターのホームページに「全国の相談窓口・医療機関を探す」というページがあります。クレプトマニアについての記載はありませんが、依存症対策を行っている機関だとクレプトマニア対策を受け入れてくれる可能性が高いので、医療機関を探すことに活用できると思います。
依存症全国対策センターホームページ … 全国の相談窓口・医療機関を探す
このページでは地域・目的別の相談窓口・医療機関検索や、依存症専門相談窓口(依存症相談拠点)の一覧・依存症専門医療機関及び治療拠点の一覧のダウンロードができます。ただし、クレプトマニアの受け入れ可否についての記載はありませんので、事前に問い合わせをしましょう。
また、この依存症専門医療機関及び治療拠点一覧に記載されていなくても、依存症治療を受け入れている医療機関もあると思います。そのような情報は地域の依存症専門相談窓口(依存症相談拠点)の方が把握しているかもしれません。依存症専門相談窓口の一覧には、地域別に相談窓口が掲載されていますので、事前に連絡してみることもおすすめです。
クレプトマニア本人は受診を拒む場合が多い
クレプトマニア本人は万引きがやめられないことに悩んでいても、病院受診を拒むことは多くみられます。また、既に他の要因で精神科や心療内科を受診していても、窃盗行為がやめられないことについては相談できないという人も多いようです。それには次のような理由が考えられます。
・万引きがやめられないことを恥じており、家族や友人にも秘密にしている。
・警察に通報され、逮捕されることを恐れている。
・犯罪行為をやめられないことで「弱い人間」、「自分に甘い人間」であると評価、軽蔑されることを恐れ隠してしまう。
・かかりつけの医師に見放され、他の精神障害(例:うつ病、不安症)まで直してもらえなくなるのではないかと恐れ、正直に話すことができない。
・何とかして自力で治せると思い込んでいる。病気であることを認めていない。
・やめなきゃいけないとは思っているが、万引きで得をすることもありやめたいとは思えていない。
これらの理由から病院受診を先延ばしし万引きを繰り返し、捕まったことをきっかけに医療機関につながる人が少なくありません。むしろ、捕まる前の段階で自ら病院受診する人の方が少ないのではないかと思います。
早期治療は早期回復へとつながる
わたしは万引きをするようになる前から、本でクレプトマニアの存在を知っていました。また、摂食障害(過食嘔吐)であったことから、自分がクレプトマニア予備軍であり近づいていることにも気づいていましたが止めることができませんでした。そのため、比較的早期に一人での回復は無理だと自覚し、自分から病院を受診することができました。今、盗らない一日を積み重ねられているのは、早期に医療機関につながったおかげともいえると思います。
いい習慣でも、悪い習慣でも、それが当たり前になっている期間が長ければ長いほど、変えるのが難しくなります。それは依存症でも同じ、早期受診・早期治療開始の方が、結果が出やすいです。
依存症の場合は脳内物質が影響しており、より強い刺激を求めて依存行為がエスカレートしていくことがわかっています。ですので少しでも早い段階で依存行為を手放すことが早期回復につながります。
犯罪歴が浅いうちに治療を始められるメリット
万引きを繰り返し、検挙されることを繰り返せばそれだけ犯罪歴が積み重なっていきます。そして、一度ついてしまった犯罪歴は消えることはありません。依存症は再発を繰り返しながら回復するとされていますが、依存症とはいえ万引きは犯罪行為ですので、再発し捕まるケースも多くあります。このとき、どの程度犯罪を積み重ねているかでその後の状況が大きく変わります。
微罪や不起訴処分など比較的処分が軽微な段階で再発(再犯)した場合、不起訴処分や罰金刑など刑務所に入ることにはならないケースが多く、治療継続が可能なことも多いです。しかしこれが罰金刑後や執行猶予明けなどの状況での再犯となれば、裁判の結果によっては収監される可能性があります。収監されてしまうと治療継続は難しく、回復がさらに難しくなるという悪循環になってしまいます。
お店への被害も少ない
早期に治療につながれれば、早く万引きをやめられる可能性が高まります。そうすれば、お店側の被害も減少します。当たり前のことですが、クレプトマニアの依存行為の先には被害者がいることを忘れてはいけません。
家族のみの受診を受け入れている施設もある
クレプトマニア本人が病院受診を拒むことは少なくありません。また、受診したいと思っていても仕事や学校の都合がつかないなど受診が難しい場合もあるでしょう。
医療機関によってはご家族のみの受診を受け入れているところもあるようです。クレプトマニアの受け入れを行っているかも含め、事前に問い合わせをしてみることをおすすめします。
病院受診ができなくても、自助グループに参加したり、SNSを利用して仲間とつながることで回復することはできると思います。まずはご自身ができる方法で助けを求めましょう!
病院受診ができなくても、自助グループに参加したり、SNSで仲間とつながることで回復することはできると思います。
ですが、なるべく病院を受診しましょう。
一番よくないのは一人で抱え込むことです。万引きで悩んでいたら誰かに助けを求めましょう!
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