クレプトマニアだとわかり、やっと向き合えた ~ 残華さん(30代女性)の場合

クレプトマニア治療目的で入院中の残華さん(30代、女性)から体験談が寄せられました(2021年7月18日寄稿)。

小学生の頃からの万引き行為

わたしの万引き歴は、小学生から始まっています。35歳になる今年の2月までやっていましたので、盗っていない時期もありますが、25年以上になります。2月に捕まって被害届が出され、罰金刑になるところです。

小学生の頃は、やはり流行り物の消しゴムなどの子供らしい物を盗んでいました。学生の間は万引きは収まっていたのですが、働き出すと再発してしまいました。職場のレジからお金を取ったり煙草を盗んだり、バックヤードから商品を盗んだりしたこともありました。1日3千円くらいの盗みをしていました。

うつ病がひどくなってしまい仕事をやめたのですが、そこからは親のお金やクレジットカードに手を出しました。親には見つかっていましたが、それでもやめることはできず、2~3年はやっていました。合計で軽く200万円は盗っていたと思います。ですが親も馬鹿ではないので、それもできなくなりました。それからはお金もなく、買うことができなくなってしまったので、お店でジュースやお菓子を盗み始めました。

自宅に居た時は、処方薬の乱用、夜間過食、万引き、主にこの3つの症状が酷かったです。特に処方薬の乱用は命をも危険に晒しているような状態でした。夜間過食は、寝る前に甘いものをお腹いっぱい食べないと眠れない、という思い込みと共に行っていました。お陰で体重が3桁まで増えてしまいました。万引きしていたものは主に過食用の食べ物です。そして今年の2月に万引きしているところを警備員に見つかり、被害届が出されたと言う次第です。

逮捕され、クレプトマニアという病気を知る

捕まった時はまだクレプトマニアという依存症を知らなかったので、それまで自分は意志の弱い最低な人間だとずっと独りで苦しんでいました。もともと自己肯定感がとても低いのですが、当時は最低ラインに居たと思います。処方薬で自殺を何度も計りました。親も自分も疲れ果てていていました。逮捕され、もうどうでも良くなった時に、初めてクリニックの先生に万引きを繰り返していたことを打ち明けました。そうしたらその場で、「あなたはクレプトマニアだよ。」と言われたのですが、何を言われているのかよくわかりませんでした。クレプトマニアという名称を知らなかったのです。クリニックの先生の対応はとても速く、すぐに京橋にあるクリニックにクレプトマニア専門の先生がいらっしゃる事を教えて下さり、紹介状も書いてくださいました。

そして紹介された病院を受診し、初めてクレプトマニアとはどんな病気であるかを知りました。自分の今までの万引きなどの盗みを繰り返していたことを思い出すととても当てはまるというか、スッと自分の中に落ちてきて、自分がクレプトマニアなんだということを知りました。そのクリニックには一度しか行っていませんが、その時に即入院する様に言われ、4月から入院しています。

入院生活での変化

入院してクレプトマニア治療に取り組んでいますが、主な治療はミーティングです。クレプトマニア当事者のみの言いっぱなし聞きっぱなしのミーティングで、1日2~3回あります。ミーティングへの参加を重ね、過去を振り返り話をする棚卸しを行うように様になると、今までの自分が何故万引きを繰り返していたのかが少しずつ見えてきました。また、今はコロナ感染拡大の影響でミーティングが中止になっていますが、その分自分と向き合う時間がたくさんあり、時間をムダにしないよう意識しています。今は入院生活をしており、盗れない環境にいます。入院していると誘惑されるものは少ないし、他人の目もあります。そのため盗りたい衝動はありませんが、家に帰ればそうはいかないということも理解できるようになってきました。それは、先行く仲間の話を聞いたからです。「外泊で地元に戻れば、嫌でも衝動が出てくる。過去を振り返って、そこにどう立ち向かって行くか考えていかないと、簡単にスリップしてしまう」と。本当にその通りだと思います。外泊もしたいですが、まだ外に出られる程自分を制御できないと自覚しています。ですから、我慢しています。急いで退院しようとは思わず、ゆっくりしっかり治療をして、自信がついてから外泊を入れてみたいと考えています。

病院の食事はカロリー選択ができるので、1日1400キロカロリーに設定しています。そうしたら、2ヶ月半くらいで体重が2桁まで戻ってきました。処方薬依存の方も減薬に取り組んでいます。しっかりと管理されていますので、今のところ順調に進んでいます。減薬の離脱の症状が沢山出てきて、とても辛い時もありますが、自分が何の為に入院したかを常に思い出し、日々戦っております。やはり初志貫徹は大事です。初心忘れるべからずです。

仲間のために、自分のために

もし今処方薬依存や摂食障害、うつやクレプトマニアの症状に悩んでいる人の力になれればと思い長々と文章を書かせて頂きました。私も自分がクレプトマニアであると知るまで本当に苦しんできました。自分がクレプトマニアだと知り、向き合うことができるようになりました。クレプトマニアの仲間も私もクリーンで居られるように願っています。スリップしないように頑張ります。

読んで頂きありがとうございます。お互いクリーンな日々を過ごせます様に。


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