買い物前にアメをなめる HALTを避ける工夫

盗らないための工夫

依存行為に走りやすいHALTを軽減させた状態で買い物をすることで、万引きのリスクを減らしましょう。

HALTとは?

HALT(ハルト)とは次の4つの単語の頭文字をとったものです。

・H…hunger(空腹)

・A…anger(怒り)

・L…loneliness(孤独)

・T…tired(疲労)

これらの要因が高まると、依存行為への欲求が高まりやすく、窃盗をする可能性が高くなります。HALTの状態での買い物を避けることで、万引きのリスクを減らすことができます。

空腹を避けるためにアメをなめる

空腹感は血糖値が下がることで引き起こされます。血糖値を上げ、空腹感を減らした状態で買い物に行った方が万引きのリスクが減ります。食後間もない時に買い物に行ければよいのですが、難しければお店に入る前にアメやチョコレート、おせんべいなどを口にして血糖値を上げるという方法があります。

「買い物の時にはアメをなめ、アメをなめたから大丈夫!と言い聞かせる」というように、ルーティーンワークとして行うのも良いと思います。

イライラした気分で買い物しない

怒りの感情はイライラした気分とも言えます。

ストレスがたまってイライラしているときは、気持ちを落ち着かせる工夫をしましょう。気分を落ち着かせることができなくても、イライラしていると認識できているだけでも違います。状況を意識できていれば注意しながら買い物ができるので意味があることと言えます。

また、時間に余裕がない時は「イライラする」状況になりがちです。「時間がないのにレジが混んでいる。進みが遅くてイライラするし、待つのは面倒だから盗っちゃえ。」という流れが悪いパターンです。時間に余裕があれば、レジの並びにイラつく可能性も低くなり、窃盗行為のリスクは減ります。

なるべく一人で買い物に行かない

loneliness(孤独)とは、ただ一人でいるというだけでなく、寂しいと感じているという状況を表しています。寂しさや孤独感が強い時は自暴自棄になりやすく、窃盗行為に走りやすいので注意が必要です。対応法としてお店に入る前に家族や友人に連絡をしたり、写真を見るなどして孤独感を減らすということがあります。

また、一人で買い物に行かないというのも有効な方法です。買い物に行くときは誰かと一緒に行き、監視役になってもらうというというものです。

疲れているときの買い物は要注意

疲れがたまっている状況での買い物は注意が必要です。仕事をしているとどうしても仕事後に買い物をすることが多くなってしまいますが、疲労度が高くリスクが高い状況と言えます。休日にまとめて買い物をする、昼休みに買い物を済ませるなど、なるべく疲労度が少ない時間に買い物を済ませるようにしましょう。

飲酒後も要注意

HALTには含まれていませんが、お酒を飲んだ後も要注意です。

酔っている状態だと「万引きをしてはいけない」という抑止力が低下してしまいがちです。いつもなら意識的に抑えることができている「盗りたい」という欲求を抑えることができない状況が考えられます。また、気持ちが大きくなり「ちょっとくらい盗ってしまってもいいかな」というような発想が浮かびやすくなることもあります。

そもそも、HALTの状況になっているときにそれを解消するためにお酒を飲んだということも多く、依存行為に走りやすい状況にあると言えます。さらにお酒を飲んで酔った状態での犯行は大胆なことが多く、目立つので捕まりやすいと言えるようです。「お酒を飲んで気分が良くなって、なんとなくふらふら~っとお店に入ってしまった。」という状況はかなり危険です。外でお酒を飲むときは、ほどほどにしておくのが良いと思います。

複数の要因が重なっているときが危ない

HALTは、その要因が多くなればなるほど依存行為に走るリスクが高まります

『仕事が思うように進まずイライラ、他の社員は帰ったが自分は広い事務所で一人残業。 どうせ帰っても一人だし、飲みに行く相手もいないから別にいいんだけど。 時間が時間なので仕方なく退社。
 夕飯は食べておらずす空腹、早く家に帰りたい。 家に帰ってから夕飯の支度をするのは面倒だな、お総菜でも買って帰ろうかな。』

こんな状況はHALTが重なっており、とても危険です。こうなったらスーパーなどのお店に入ってお総菜を買って帰るのではなく、「飲食店で食事をする」・「テイクアウトを利用する」など、リスクの少ない方法を選ぶことをお勧めします。HALTであるときには、盗れる状況に身を置かないというのが一番です。

普段から買い物に行くときにはHALTを避けるのが一番ですが、そううまくはいかないこともあります。そんな場合でも、自分がHALTの状況でありリスクが高いと認識できていれば、注意深く行動することができます。「ふらふら~っとお店に入ってしまった」という時がとても危険です。お店に入る前に、自分がどのような心境・状況にあるかを確かめることを習慣化しましょう。

HALTについてはこちらでも説明しています。