犯罪であることを抑止力に利用する

2020年10月22日

万引きは窃盗罪に該当する犯罪行為、捕まることで多くのものを失います。そしてそれ以前に、被害者を生み出していることを忘れてはいけません。罪を犯すことの影響を知り、抑止力に利用しましょう。

窃盗には被害者がいる

万引きなどの窃盗は、被害者のいる犯罪です。加害者となることで失うこともありますが、それ以前に被害者はものを失っています。罪を犯した本人だけが痛い思いをするのは、ある意味自業自得、被害者はとんだとばっちりをうけています。

被害者に多大な損害を与えていることを忘れてはいけません

逮捕、拘留される

万引きは窃盗であり、立派な犯罪です。万引きにより、逮捕・拘留される可能性があります。

逮捕されると警察署で取り調べを受けることになります。スマートフォンも使用できなくなるため、外部と連絡を取ることができず、いきなり消息不明になったような状態になります。多くの場合、携帯電話やスマートフォンは証拠品として押収されます。処分が決まって釈放されるまで警察が預かることが多く、職場や学校にも連絡できずに多くの迷惑をかけることも考えられます。

警察署で行われるものに写真撮影と指紋採取があります。写真撮影は正面だけでなく向きを変えて複数枚行い、指紋採取も念入りに行われます。決して気分の良いものではありません。 取り調べが長くなり、拘留されればその時間は長くなり、逮捕後72時間は原則的に家族であっても面会できません

また、送検された場合には最大20日間の身柄拘束を受ける可能性があります。つまり、万引きで捕まった瞬間から最大で23日間身柄を拘束される可能性があるということです。

留置所での生活は、基本的に定員6名ほどの部屋でおこなわれます。施設によって多少違いはあるものの、決して快適とは言えないレベルの居室です。施設によって多少違いはあるものの、外部との接触が断たれた状態で規則的な生活を送ります。食事や運動の時間などがあり、その間に取り調べが行われます。入浴も可能ですが、夏場でも週に2~3回、1回の時間も限られています。そのため、収容者が一番に差し入れて欲しいと思うのは衣類だという話もあるそうです。

収容者同士の人間関係でも苦労することが多いようです。留置所や拘置所にはいろんな容疑の収容者がいますが、窃盗は比較的軽い犯罪です。そのため、同じ収容者内で馬鹿にされたり、いじめられることが多いという話もあります。留置所や拘置所での体験談はネット上にも多く出回っていますので、それらを読むことで抑止力につなげていくこともよいと思います。

逮捕された場合のことは、こちらにも書いています。

仕事への影響

逮捕・拘留されることで、すぐに職を失うわけではありませんが多大な影響が出ることが考えられます。

逮捕・拘留されると、警察署で取り調べを受けますが、 携帯電話やスマートフォンも使用できなくなるため、外部と連絡を取ることができなくなります。外部との接触は基本的に担当弁護士を通してのものとなるため、勤務先への連絡がスムーズにいかず、失職につながることもあり得ます。拘留が長期化し休みが続いてしまえば、仕事への影響は避けられないでしょう。

また、前科がついてしまうと一定期間国家資格を取得できなくなることがあります。具体的には国家公務員、地方公務員、教員、弁護士、弁理士、司法書士、公認会計士、保育士などです。国家資格が必要な仕事以外でも、警備員や金融関係などの信頼性が大事とされている職業では、前科があることで就職が難しくなるものもあります

家族を失う人もいる

前科があることが直ちに離婚事由となるわけではありませんが、事件化することが夫婦関係に影響することは十分に考えられます。前科が付くことが離婚事由としての『その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき』に該当する可能性があるため、不利な状況での離婚になりやすいと言えます。

また、犯罪が理由で離婚するとなれば親権を得るのが難しくなることも考えられます。親子であっても、事件化をきっかけにしてその関係が断絶してしまったという話もあります。クレプトマニアが依存症だという社会的な理解が進めば、このようなことは起こりにくいくなるかもしれませんが、そう簡単にはいかないというのが実情です。

多額の弁護士費用がかかる

逮捕・拘留されると、72時間以内の外部との接触は担当弁護士しか行うことができません。早い段階から弁護活動を行ってもらうためには、担当弁護士をつける必要があり、費用がかかります。国選弁護人という制度もありますが、専任時期が遅い、弁護人を選べないなどの理由から、私選弁護人に依頼することが多いようです。クレプトマニアによる窃盗事案は数が限られており、クレプトマニアに対する知識も弁護人によって大きく異なるのが現状です。そのため、クレプトマニア事案に精通している弁護人を私選弁護人として依頼するパターンが多くなっています。

私選弁護人を付けるとなれば、それなりの費用がかかります。仮に万引きでお金が浮いたとしても、別のところで出費がかさむので、得をするなんてことはありません

裁判は公開で行われる

裁判は原則公開で行われます。傍聴は基本的に自由に行うことができるため、傍聴席に誰が来るかはわかりません。誰が見ているかわからない法廷に、被告人は手錠・腰縄をつけて入廷します。本名や本籍を申告したり、犯罪時の状況が読み上げられたりと、一般社会であればプライバシーの侵害となるような情報が出されます

裁判を経験した多くの人は、2度と経験したくないと言います。また、裁判期間が長くなることもあり、その精神的負担はかなりのものといえるでしょう。

海外旅行にも影響する場合がある

前科が付いていても入国に影響しない国もあります。

しかし、アメリカは厳しいです。前科が付いている場合には、短期間の旅行であっても事前に審査を経てビザの発給を受ける必要があります。 ハワイやグアム・サイパンなどもアメリカ、これらの地域への短期間の旅行でもビザが必要です。前科があるためにアメリカ入国にはビザが必要だがそれを知らずに、「社員旅行でハワイに行こうとしたら一人だけ入国審査で別室に連れていかれた」、「友達と一緒に友人の結婚式に行こうと思ったのに、一人だけ空港から返された」などという話を聞いたことがあります。

また、「急なアメリカ出張命令に対応できなかった」など、仕事への影響が発生することも考えられます。

犯罪歴は消すことができない

検察庁は犯罪履歴の管理を行っており、前科がつくと記録が残ります。

もっとも、この記録を確認できるのは当局のみであり、公開されることはありません。前科情報はプライバシー性の高い情報であり、前科の情報が公開されるとその人の就職や社会生活に大きな支障を及ぼす恐れがあるためです。

しかし、一度ついた犯罪歴は消すことができません。盗らない日々を送れるようになって、10年・20年たっても犯罪履歴は消えません。前科のある人が再び刑事裁判を受けることになった場合、前科がない人に比べて重い刑事処分を受ける可能性が高くなります。 執行猶予になった事件を最後に10年以上盗らない生活を送れていたとしても、再犯すればほぼ間違いなく執行猶予以上の判決になるでしょう。また、窃盗は繰り返し何度も刑罰を受けることで、通常の窃盗罪より刑罰が重い「常習累犯窃盗罪」にあたる可能性があります。

全く関係のないことで警察にお世話になった場合にも、データとして犯罪歴が残っているため、疑いの目が向けられるということも多々あるようです。

他の依存症との違い

広く知られている依存症にアルコール依存症・ギャンブル依存症・薬物依存症があります。

飲酒やギャンブルは違法行為ではありません。そのため、他の人はやっていいのに依存症患者だから我慢する必要があるという状況が生まれます。「周りの人はお酒を飲んでいるが自分はガマンする」、「パチンコ屋さんの前では店員さんが誘ってくるが、ガマンして店の前を素通りする」など、誘惑の多い状況でやらないというのはとても大変なことだと思います。

しかし、クレプトマニアの依存行為である窃盗は依存症患者でなくても犯罪です。誰であってもやってはいけないことであり、誰からも誘われることはありません。窃盗を止めなきゃいけない理由探しは、他の依存症よりもよっぽどやりやすいはずです。

万引きをして得することはない!

万引きを繰り返していれば、いずれ逮捕されます。逮捕されてよいことなどありません。逮捕されない確実な方法は、万引きをしないことです。

万引きをやめられないとしたら、クレプトマニアかもしれません。早めに助けを求めましょう!

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