依存症とは? クレプトマニアは依存症の一つ

2020年9月12日

クレプトマニア(窃盗症)は依存症の一つです。
ここでは依存症について記載していきます。 

依存症の定義

WHOによると、依存症は以下のように定義されています。

「精神に作用する化学物質の摂取や、快感・高揚感を伴う行為を繰り返し行った結果、さらに刺激を求める抑えがたい渇望が起こる。その刺激を追求する行為が第一優先となり、刺激がないと精神的・身体的に不快な症状を起こす状態。」

もう少し簡単に言うと、ある物質を摂取したり、特定の行為を「一度始めると自分の意志ではやめられない」、「毎回やめようと思っているのに、気がつけばまたやってしまう」という状態です。
このような依存行為をアディクション(嗜癖)と言います。

依存症は自分の意志で特定の物質や行為をやめたり、減らすことができなくなる病気であり、本人の意志だけで回復することは難しいです。
自分の意志でなんとかなると思い対応が遅れるなど、適切な対応をしなければ少しずつ症状は進行してしまいます。 

依存症は2つに大別できる

先のWHOによる依存症の定義でも述べられていましたが、依存症は大きく「物質への依存」「プロセスへの依存」に分けられます。

物質への依存
 アルコールや薬物など特定のある物質を体内に摂取することによって引き起こされる変化や快感に依存すること。

プロセスへの依存
特定の行為の”始まりから終わりまで“のプロセスに伴う快感に依存すること。ギャンブル依存症や買い物依存症などがあり、クレプトマニアもこれに該当する。

どちらにも共通しているのは、繰り返す、より強い刺激を求める、やめようとしてもやめられない、いつも頭から離れないなどの特徴が徐々に強くなっていくということです。
また、プロセスへの依存は物質を摂取するというような“わかりやすさ“がないため、本人以外は同居の家族でもないと症状の進行に気が付きにくいという特徴があります。
そもそもプロセスへの依存という依存症があることそのものへの理解が乏しいように思います。 

脳内物質が影響している

依存症というとどのようなイメージがあるでしょうか?

「本人の意志が弱いから依存症になった」、「依存症を抜け出せないのは本人の問題だ」と思われがちです。
しかし、依存症には脳内物質が影響しており、本人の意志ではどうにもできない状態なのです。

依存症にはドーパミンという脳内の快楽物質が重要な役割を果たします。
物質の摂取や行動によって快楽が得られると脳内でドーパミンが分泌されて、中脳の脳内報酬系という部分に作用します。


報酬系は刺激を受けると「また同じ快感を味わいたい」という欲求が生まれます。
脳内の報酬回路が出来上がってしまった状態です。
そして、物質摂取や行動が繰り返されると脳がその刺激に慣れ、さらに強い刺激を求めるようになります。
脳にとって刺激を受けた状態が当たり前になると、刺激のない状態は退屈なものに感じられたり、自分が自分でなくなってしまうように感じられるなど、苦痛を伴うものになっていくのです。
その苦痛は特定の行動を行えば消失するわけです。
その結果特定の行動を繰り返し、さらに強い刺激が必要になるというようにどんどんと深みにはまっていきます。

依存症の正体はこの「精神依存」であり、この精神依存は一生治らないと考えられています。 

完治はしないが回復は可能

このような脳内回路が出来上がった依存状態に陥ると、もはや自分の意志で行動をコントロールすることはとても難しくなります
脳が報酬刺激を求めて欲求がエスカレートしているため、本人がやめたい・やめようと思ってもどうにもならなくなっています。
意志の弱さや性格の問題ではありません。脳の仕業です。

依存症とは、条件さえそろえば誰でもなる可能性があり、特別な人だけがなる病気ではありません。
いったん報酬回路が脳内にできあがってしまうと、脳を以前の状態に戻すことは難しいのです。
しかし、完治は難しくても回復はできると考えられています。
適切な治療と支援を受け、この回路を刺激するようなスイッチを入れない生活を身に着けることで、通常の生活を送れるように回復することが可能です。

依存行為を止め続ける生活を続ければ、社会生活を営むことも可能です。
ただし、依存行為をやめる生活を1人で続けるのは難しく、周囲のサポートをうまく活用する必要があります

依存症についての理解を深めるために

「依存症」について、HNKの福祉情報総合サイトであるハートネットにわかりやすく掲載されています。
依存症本人だけでなく、家族や周囲の方にも是非読んでいただきたい内容です。

これって依存症?(HNK福祉情報総合サイト「ハートネット」)

クレプトマニアが該当するプロセスへの依存についてはこちらで詳しく紹介しています。