【窃盗癖患者、闘病日記】~ある30代女性患者~

回復への取り組み,万引きを手放すために

こちらの文章は赤城高原ホスピタルのホームページに掲載(2013.04.29)されているものについて、許可を得て掲載させていただきました。

ある窃盗癖患者の入院中の日記

闘病日記はこちらです→

こちらの日記の主は30代の女性です。摂食障害と窃盗癖と診断され、入院治療を受けたときの日々の様子がつづられています。入院治療による心の変化について、詳細につづられており、とても読み応えのなる内容となっています。

なお、プライバシー保護のため文中の氏名は仮名とし、状況設定などは一部事実と異なります。

入院に至る経緯

この女性は3件の万引き窃盗を繰り返し、それぞれ懲役1年(執行猶予がつくが、後に取り消し)、懲役6
ヵ月、懲役1年と、3度の服役を経験しています。

3度目の服役からの出所後、再度万引きにより逮捕されます。そのときの担当弁護士が、「お金が惜しいということもあるが、盗みに成功することが快楽に感じられる。」、「万引きしたものは見た瞬間に欲しくなり、衝動的に手を出した。」、「 買うつもりでいた商品を万引きすることはない。」といった女性の供述内容に違和感を覚えます。そして担当弁護士は、この女性はクレプトマニアではないか考えるようになるのです。そこで各方面に情報収集に奔走し、クレプトマニアの治療を行っている赤城高原ホスピタルの存在を知ることとなります。女性は様々な過程を経て裁判中に保釈許可を得て、赤城高原ホスピタルに入院しました。

詳しい状況は、日記を読み続けていくうちに徐々に明らかになります。

この日記から読み解けること

この日記から読み解ける内容には大きく2つのことがあります。それは「早い段階で対策を始めること」と「対策を続けること」がとても大切であるということです。

この方は初めての治療の前に、すでに3度も服役しています。この時の入院生活については、裁判の関係で治療が中断してしまっています。もっと早い段階で治療につながっていれば、腰を据えた入院生活を送ることができ、結果も違っていたのではないかと思わせる内容です。またこの日記を読むと、治療のメインに行われる当事者のみのミーティングの効果の感じ方が経時的に変化している様子がわかります。ミーティング参加開始当初は、共通の悩みを抱えるクレプトマニアの話を聞けて良かったと感じる一方で、ミーティング参加に対する疑問や不安が大きく、負担やストレスになっても癒しや発散の場にはなりえないような気がするとも書かれています。

この方の入院期間は約4週間ですが、退院の頃には「自分で自分の心の病んでいる部分を「ミーティング仲間」という道具を使って治療し、回復させてゆく」と、ミーティングの効果を実感したことが記されています。つまり、「治療などの対策は効果を実感するまでに時間がかかる」ということです。依存症対策は続けることで効果が得られるのであり、続けないと効果は感じられにくいのです。

入院治療による心の変化が感じ取れる内容です。ぜひ読んでいただきたいと思います。

早期の対策と続けることの重要性についてはこちらにも書いています。