このサイトで使用することばについて

思うことあれこれ

このサイトでは「クレプトマニア」、「万引き」、「盗る」ということばを使用しています。その理由をご説明します。

「クレプトマニア」を使う理由

窃盗行為がやめられない状態を表すことばとして、「クレプトマニア」・「窃盗症」・「窃盗癖」・「病的窃盗」などがあります。

医療機関で多く用いられている、DSM-5におけるクレプトマニアの診断基準に基づいて正確に「クレプトマニア」を定義すると、病的に窃盗を繰り返す人の大半がクレプトマニアには該当しません。「窃盗症」という方が正しい表現に近いと言えると思います。

しかし、「クレプトマニア」ということばが多く報道されています。またネット検索のワードとしても、「窃盗症」よりも「クレプトマニア」の方が多く使用されています。そのため、このサイトではより多くの人に情報を届けるために「クレプトマニア」ということばを使うことにしました

クレプトマニアについての詳しい説明はこちらをご覧ください。

「万引き」を使う理由

万引きとは買い物客を装って、代金を支払わずに無断で商品を持ち去る行為のことです。刑法に「万引き」という表現は使われておらず、その行為は罪名で言えば「窃盗罪」であり、立派な犯罪です。

「万引き」という表現は罪を軽く感じさせるため、きちんと「窃盗」と表現すべきだという意見もあります。このサイトでは、クレプトマニアという依存症は身近に存在しうることを伝えるため、より馴染みやすい「万引き」ということばをあえて使っています。そこに病気を理由に罪を軽くするという意図はありません

万引きが犯罪であることの説明はこちらをご覧ください。

「盗る(とる)」を使う理由

「盗る(とる)」というのは表現が軽い、「盗む」というのをぼやかし罪を軽く感じさせている、それこそが盗人の感覚だとご指摘を受けました。「加害意識・罪悪感が低く、被害を矮小化している」というのは、まさにその通りです。

この「被害を矮小化し、窃盗を繰り返す」という「盗る」という表現がしっくりくるのがクレプトマニア当事者であるわたしが陥っていた状態であり、多くのクレプトマニアに見られる認知の歪みだと思います。そのため、「盗む」ではなく敢えて「盗る」ということばを使いたいと思います。また、自分の犯した加害行為と向き合うことで「”被害を矮小化し・窃盗を繰り返す状態”を改善・脱却する」ことがわたしのイメージする「盗らない」生活です。

罪悪感の低さと向き合うことについてはこちらをご覧ください。