依存症・嗜癖問題のある人の心理

依存症・嗜癖問題のある人に多く見られる心理状況について、平成25年度依存症者家族教室モデル開発普及事業報告書に記載されていた内容をご紹介します。

嗜癖とは?

嗜癖(嗜癖)とは、あることを特に好きこのんでするくせのことです。
より踏み込んだ定義として、嗜癖は「その人の生活に広範囲に及ぶ影響をもたらしていく」もので、「衝動的強迫的に没頭する様式化された習慣であり、中断した場合には手に負えない不安感を生じさせるもの」とされています。

嗜癖の本質は「快感を求める行為」であり、その行為が自分を損ないはじめている事に気づいても、強迫的反復的にその行為を繰り返してしまいます

まさに、「わかっちゃいるけどやめられない」状態に陥ります。

依存症・嗜癖問題のある人々の背景にあるもの

依存症・嗜癖問題のある人は心理的に次のような背景があると考えられています。

●日常生活での充足感、充実感に欠けている
 → フラストレーション(欲求充足不全)の問題
● 自分への肯定感が持てない、他者と比較してダメな感覚がある
 → セルフエスティーム(自尊感情)の問題
● 仕事(学業)に取り組んでいる自分がほんとうの自分ではない気がする
 → 職業的アイデンティティ(自己同一性)の問題
● 何を目標として生きるべきかを見失っている
 → アイデンティティの問題
●空虚、空白、憂うつなどの気分が続く
 → 気分の問題

依存症・嗜癖問題のある人々の心理

物質摂取や依存行動によって、高揚感、陶酔感、解放感、痛みを癒す、苦痛を和らげるなどの快感を知り、その結果、その依存に捕らわれてしまいます。
一方で、この習慣の不利益に気付き、やめたいと思いますがやめることができないために葛藤が生じ、悩み、苦しむことで、次のような心理状態に陥いってしまいます。

否認:自身のとらわれやそれに伴い生じている困難の事実を認めない
自責感、自己嫌悪:とらわれている自分を責め、責めながらも同じことを繰り返す自分を嫌悪する
劣等感、低い自己評価:やめられない自分を敗北者、落後者として劣等感を抱き、自己評価を低くする
孤立と孤独:大切な人間関係を失い、家族の中でも孤立し、誰からも相手にされず、孤独に陥る
被害者意識:自分の状況やそのストレスに対して上司、親、配偶者などが悪いと被害感を持ち、過度に自己を正当化し、自己憐憫に陥る

参考資料:平成25年度依存症者家族教室モデル開発普及事業報告書

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