同じ悩みを持つ仲間とつながり続けるべし!
同じ悩みを持つ仲間とつながり続けることは、盗らない生活を続けるためにとても意味があると感じています。
盗らない生活を続けるために必要なこと
クレプトマニアは依存症、回復はあっても完治はありません。長期間盗らない生活を送れていても、完治しているわけではなく、再発のリスクはあります。
盗らない生活を続けるために必要だと思うことに、ストレスをためないことがあります。ストレスをためないためには、精神的な悩みや苦しみを外に出すことが大切だと思います。自分の気持ちを正直に出せる環境づくりが必要だと感じています。
バレてしまう不安から本音を出し切れない
クレプトマニアが悩みを抱えると、悩みのとっかかりは窃盗とは関係ないことでも最終的にクレプトマニア特有の悩みにつながってしまうことがあります。例えば、仕事の悩みで感じたストレスが、窃盗欲求につながってしまうような場合です。
そのような場合、「あの上司とうまくいかないんだよね。」と気の許せる同僚に相談し、上司との関係の悩みを話すことができても、「イライラ・もやもやして、なんか盗りたくなっちゃうんだよなぁ」などクレプトマニアに関連する本音を口にすることは難しいです。その結果、「何かの拍子にクレプトマニアの思考が出て、バレてしまうのではないか」という不安から、本音を出し切れずどうもすっきりしないということが考えられます。
おそらく、他の人が思う以上にクレプトマニアの多くがその事実がバレることに怯えています。
クレプトマニアと知られていても、本音を出し切れないことも
クレプトマニアであるという事実を相手が知っているからと言って、本音を出せるとは限りません。当事者本人は窃盗を繰り返してしまうことに後ろめたさ・申し訳なさを感じているため、正直に話すのに抵抗があることも多いです。正直に話すことで引かれてしまうのではないかという不安を抱えることは、よくあると思います。家族など身近な人と話すときには「盗りたい気持ちがある」ということを正直に伝えることで、周囲に不安を抱かせたくないという思いを持つこともあります。また、実際に万引きがやめられなくなっている状況でも、「これを最後にするから、言わなくても平気」などとずるずると隠し続けてしまうこともとても多いです。
多くの場合、クレプトマニアだと伝えていても、その気持ちを理解し、さらには共感してもらうのは難しいと感じているので、本音を出し切れないのが実情だと思います。
これらの本音を出せないストレスによって、窃盗衝動が強まってしまうことは十分に考えられます。
当事者同士だからこそ共感できることがある
クレプトマニア当事者同士なら、同じ悩みを持つ者同士なので「盗りたい」、「盗りたくなりそうで不安」などというクレプトマニアならではの悩みを共感することができます。共感してもらえるというのは、聞いてもらう・理解してもらうということとは全然違います。また、他のクレプトマニアの話を聞いて共感することで、新たな気付きを得ることもとても多いです。
同じ悩みを抱える者同士でつながりを深めることで、回復し続けるために一緒に頑張っていきたいという気持ちが湧くことも期待できます。
自助グループへの参加がおススメ!
同じ悩みを持った仲間とつながる、オーソドックスな方法が自助グループに参加することです。今はオンラインミーティングも開催されており、気軽に参加することができます。
詳しくはこちらでご紹介しています。
SNSの活用もおすすめ
地域的・時間的要因など、様々な理由で実際のつながりを持ち続けることができない場合など、SNSを利用したつながりもとても有効だと思います。SNSの良さはいつでもどこでもつながれるということです。安全面で配慮すべきことはありますが、おすすめできる方法です。
SNSの活用についてはこちらに書いています。
つながり続けることが大事
仲間とつながり続けることが大事だと思う大きな理由に、クレプトマニアであることを忘れないことにつながるというのがあります。
クレプトマニアは依存症であり、一生完治することはありません。脳の病気であり、いつでも再発するリスクがあります。長期間盗らない生活を送れていたが、スリップ・再発してしまったという仲間からは、「もう大丈夫だと思い、通院や自助グループを離れてしまっていた」という話をよく聞きます。仕事が忙しくなり、通院や自助グループの参加をやめてしまった結果、ストレスが少しずつ蓄積してしまい、スリップ・再発に至ってしまったというような例です。仕事が忙しくなりストレスを貯めてしまっていたことも問題ですが、それ以上につながりを断ってしまったことでクレプトマニアであるという認識が薄れてしまっていたことが良くなかったのではないかと思います。
クレプトマニアの仲間とつながると、自分が万引きがやめられなかった頃のことを思い出すことが良くあります。そうすることで、盗っていた頃に戻りたくないという気持ちを高めることにも役立っていると感じます。
また、スリップしてしまった時こそ離れてほしくないです。むしろ、戻ってきてほしいと思います。「スリップは裏切りではない、症状が重いと考える」、これは薬物依存症から回復した支援者のことばです。スリップをしてしまうと一緒に頑張っている仲間を裏切ってしまったような感覚になり、「仲間に合わせる顔がない」と自分を責めてしまうこともあります。また仲間から離れた状態でスリップしてしまうと、「ほらやっぱりと言われてしまうのではないか」と、益々戻りにくくなることも考えられます。でも、それは自責感情が強く表れているだけだと思います。もし他の仲間がスリップしたらその人に「あなたは裏切り者だ!」などと言いますか?むしろ、また一緒に頑張ろうという気持ちになるはずです。スリップしてしまうのは症状が強く出ている状態、そういうときこそつながり続けてほしいと思います。
社会生活を送っていく上で、常にクレプトマニアであるという自覚を持ち続ける必要があるとは思いません。しかし、回復し続けるためには仲間とつながり続け、クレプトマニアであるということを定期的に自覚することが必要なのではないかと思います。
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